●診療情報の記録指針(旧診療録記載指針 改訂版)(2017年3月)

1. 本指針改定の趣旨・目的

 本学会が初めて診療録記載指針を示してから10年が経過した。この間、ICTの著しい進歩等により電子カルテが急速に普及し、大規模データベースに集積された診療情報を、患者自身のためのみならず、傷病の重症化予防や社会資源の有効活用等の施策にも活用しようとする動きが高まっている。このような時代の変化を受け、本指針は名称を「診療情報の記録指針」と改め、医師による診療録の今後のあり方を踏まえつつ、チーム医療の実践に伴う他の職種・部門との情報共有を促進し、地域における医療・介護関連施設との連携強化を可能とするような診療情報の記録指針として取りまとめた。

 改定に当たっては、チーム医療の拡大と充実、普及しつつある電子カルテの運用の現状、臨床指標による診療評価の可視化の進展等の、新たな局面に伴う課題に対応するために、今後のあり方や方向性を、具体的な記録事項とともに示した。特に、「電子カルテの記録・運用指針」については、末尾に項を改めて別掲した。もとより、本指針策定の原点は、当学会の倫理綱領に掲げる「診療記録の正確な記載と責任の明確化」にあることに、何ら変わるものはない。本指針が、患者本位の医療の実現に向けて、それぞれの立場から参照され、活用されることを期待する。

2. 今後の診療情報記録の基本的考え方と視点

(1) 適正な医療を実施し説明責任を果たしていることを示すという視点

患者に十分説明して同意・納得を得たうえで、根拠に基づいた適正な医療を実施していることを記録として残すことで、患者の権利を尊重して安心・安全な医療を実現することが可能となるという観点から記録する。

(2) 患者の個人情報であるという視点

患者からの開示請求に堪えられる記録とするとともに、厳重に保護されるべき個人情報としてその守秘とセキュリティを徹底し、診療以外に情報を利用するに当たっては患者の同意が必要であることに十分留意する。

(3) チーム医療のために共有される記録・情報であるという視点

多職種による組織的な医療を実現するために、他の職種・部門から参照され、その記録内容が理解されるように留意するとともに、円滑かつ効率的に業務が実施できるように記録することに努める。

(4) 医療の質的水準と安全性、および効率性を評価し、その向上を図るために
活用するという視点

各種のアウトカム指標やプロセス評価手順、あるいは予期しない出来事や再入院、さらには診断群分類別在院日数や転退院に伴う困難要因等の分析ができるように、法令や規則、あるいは病院の定める方針やルールに基づいた記録を行う。

(5) 臨床医学研究と教育・研修に役立てるという視点

記録された診療情報を用いて臨床医学研究を行う場合は、倫理委員会の審議を経て患者の同意の下で実施されることが必要である。教育・研修に供せられる場合も、患者の同意を得るとともに、個人情報の保護に十分に配慮する。

3. 診療情報の記録に関する一般原則

(1) 診療の事実を情報として正確に記録する原則

  • 個々の患者の診療情報は、分断されることなく1患者1IDで管理され、必要な情報に迅速にアクセスすることが可能となっている。
  • 実施された診療・看護等の事実とその経過を、遅滞なく正確に記録して完了する。
  • 診断所見や治療結果等について、論理的かつ明快に記録する。
  • 記録者の氏名・職種、記録日時を正確に記録する。
  • 外国語または略語は、一般的に使用される病名・人名、処置・手術名等の専門用語の範囲内とし、記述は日本語が推奨される。
  • 備忘録や私的なメモ、あるいは職員または特定の関係者に関する、当該患者の診療に関係のない事柄については記録しない。

(2) チーム医療の実践のために多職種で情報を共有する原則

  • 有効なチーム医療を実践するために、診療・看護をはじめとする各部門の記録が相互に参照可能である必要がある。
  • 多職種が共有する情報であるという認識をもち、相互に理解可能な用語や表現を用いて記録し、一般的に通用しない造語や記号等は使用しない。
  • 各部門、あるいは栄養支援・緩和ケア等の医療チームに指示または依頼を出した場合は、その実施を確認するとともに、結果を評価して次の方針や計画について記録する。
  • 各部門や医療チームが指示または依頼を受けた場合は、その実施内容と経過・結果等について、当該患者の診療記録に確実に記録する。
  • 各診療科・部門・医療チームにおける合同カンファランス等で検討された患者については、その検討経過や結果について、当該患者の診療記録に確実に記録する。

(3) 開示請求の対象となる公的文書であることを踏まえた原則

  • 責任を明確にするために、診療の事実と経過、記録日時、記録者を正確・確実に記録する。
  • 特別の理由があって追記または訂正をする場合は、原記録は残して別に追記・訂正し、その日時・理由等を併記する。
  • 医療に関係のない患者・家族に関する事柄や、第三者の利益を損なう事項等については記録しない。
  • 予期せぬ出来事、または意図しない事態が発生した場合は、事実を時系列的に正確に記録し、推測や仮定に基づいた所見や考え方を記録しない。
  • 事実と異なる所見を記録すること、記録を改ざん、または削除すること、あるいは敢えて恣意的に記録しないことは犯罪行為であり、厳に慎むべきである。

(4) 診療情報として必要な記録が安全に管理され、有効に活用される原則

  • 診療記録として必要な諸記録・文書、およびその内容に不備・欠落がないように整備され、それを監査・評価する手順や体制が整っている。
  • 記録された診療情報に基づいて、医療の質と安全性、および効率性について、組織的に評価・分析をする機会がある。
  • 診療情報が不正にアクセスされ、流出・改ざん・棄損されないように万全の配慮がなされるとともに、不測の事態発生時には、迅速に対処できる仕組みが備わっている。

4. 診療記録の構成と記録すべき事項

(1) 診療記録の基本形と診療情報の記録方式

  • 本指針は一般病棟における入院診療記録を基本形としているが、外来診療記録、救急診療記録、集中治療室記録等においてもこれに準じて記録され、患者情報として一元的に記録され、統合・管理されていること。
  • 療養病床、精神科病床等における診療記録についても、基本形に準じることが望ましい。
  • 看護記録、リハビリ記録等の部門記録においては、指示受け・実施経過・結果等の情報は本体の診療記録として一元的に統合され、相互に迅速に参照可能であること。
  • チーム医療やカンファレンス等の多職種・多部門が関わる診療記録についても、対象患者に関する検討経過・結果、今後の方針等に関する情報は、当該患者の診療記録として記録され、情報共有が可能となっていること。
  • 電子カルテは、情報の迅速な参照、共有、編集、加工、伝達等が可能であり最も合理的な記録方式といえるが、情報の不正アクセス、流出、棄損等のリスクも大きい。その記録と運用の在り方については、別掲の「電子カルテの記録・運用指針」を参照すること。
  • 診療情報の内容を構成する方式として、POMRシステムやクリニカル・パスチャート等が用いられ、それぞれ一定の実績があり推奨される。それらの方式を採る場合は、本指針で示した診療記録としての視点や原則を踏まえるとともに、運用上の問題があれば常に改善することに努めることが望ましい。

(2) 入院時の記録事項

  1. 患者基本情報:ID番号、氏名、性別、生年月日(年齢)、住所、保険情報、連絡先情報
  2. 入院経路情報:外来、救急(救急搬送、現場到着・病院到着時刻等)、紹介(紹介元機関、連携施設)
  3. 入院時診療情報:主訴、現病歴、既往歴、家族歴、生活歴、精神心理的・社会的状況、紹介元からの診療情報提供書情報
  4. 入院時診察情報:現症、理学的所見、Review of Systems(ROS:臓器系統所見)等
  5. 入院時のProblem情報:入院時診断名、検査・治療上の問題点、精神心理的・社会的問題点
  6. 入院時診療計画と入院時指示:入院診療計画の作成、説明と同意、入院時指示
  7. 特記すべき情報:アレルギー情報、感染情報、血液型情報、持参薬情報等
  8. 入院時文書・書類の整備:入院診療計画書(入院目的、医療目標、予定入院期間等)、入院同意書・誓約書、DPC説明書、および紹介元からの診療情報提供書等

(3) 説明と同意に関する記録事項

  1. 入院診療計画書:医師・看護師、その他の診療に関与する専門職を交えた医療チームによる共同作成、および患者・家族等が十分に理解できる説明と納得、相談への対応
  2. 侵襲のある手術・処置・検査等の説明と同意:必要性とリスク(合併症等)に関する説明内容の記録、代替治療法の説明と選択、患者・家族の受け止め方や考え方、患者の側からの変更・中止が可能の説明、セカンドオピニオン取得が可能であることの説明
  3. 説明と同意文書の共通化:説明と同意の適用範囲と文書様式を病院として共通化、各科に固有なものについても病院としてオーソライズされた文書様式の適用、説明者と患者本人の署名・押印の徹底
  4. 治療方針の変更に伴う説明と同意:変更理由の説明と同意の確認の記録

(4) 指示に関する記録事項

  1. 処方(投薬・注射)、検査、処置、食事等の指示:指示者を明確にし、代理者の場合は必ず実施前に指示者が確認できること。指示記録だけでなく、経過記録にも必ず記録する。
  2. 指示の伝達と実施に関する記録:指示出し・指示受け・実施が、円滑に確認できるように記録する。事後に速やかに指示の実施漏れや実施結果報告の未確認が発見できるように記録する。
  3. 口頭指示、臨時指示、指示変更、指示中止等の扱いに関する記録:これらの非定型的な指示の扱いについては、手順書を作成し、それを順守して確実に記録する。

(5) 入院経過中の記録事項

  1. 回診時・診察時の所見:病態に応じた必要な頻度の診察の記録および病状変化等に関する見解・評価・推論、必要な検査・処置等の指示
  2. 検査・画像診断・病理診断の結果:所見とその解釈、評価・分析、判断と問題点等
  3. 治療方針:検討された選択肢・診療ガイドライン、選択した根拠等
  4. 投薬・注射の結果・経過:効果の評価・判定、副作用の有無と副作用報告
  5. 手術・処置の実施と結果・総括:手術適応と術式等の検討、術前訪問の記録、手術記録の整備、結果の総括、合併症の有無、術後の対応方針
  6. カンファランスの検討内容;症例検討会、多科合同検討会、臨床病理検討会等の検討経過・結果等
  7. 診療計画の変更:変更の理由、患者・家族への説明内容、指示変更の内容
  8. チーム医療の介入・実施:栄養支援、感染管理、安全管理等のチーム医療の検討結果と活動内容
  9. 有害事象の記録:発生日時と事象の詳細な内容・経過、死亡時については予期できたか否か、遺族への説明、剖検結果、死亡症例検討会の検討経過・結果等
  10. Problem Listの評価:各Problemへの対応状況とその結果・評価
  11. 退院支援の記録:
    • 退院後の患者・家族の意向の把握と記録、介護保険との連携に向けた対応の記録
    • 多職種による退院支援カンファレンス等の記録

(6) 手術・麻酔に関する記録事項

  1. 遅滞ない記録の完成:所定様式に迅速に記録・完成、図・画像情報の確実な記録
  2. 安全管理情報の記録:タイムアウト等の安全確認の記録、予期しない経過の詳細な記録、有害事象の発生に関する詳細な記録
  3. 退室・転室時の記録:ハイケア室・一般病室等への退室・転室時の評価・判断の記録、責任者の明確化

(7) 他の診療科・部門の記録との一元的管理と情報共有

  1. 他科受診・対診時の記録:迅速・確実な依頼と記録、診療内容と経過・結果の記録
  2. 転科・転棟・転室時の記録:転科・転棟・転室の判断と理由の記録、記録の一元化と容易な相互参照
  3. 看護記録:緊密な情報共有が可能であること、確実な指示受け・実施等が確認できること、重症度・医療看護必要度等の看護情報が容易に参照できること
  4. 服薬管理記録・リハビリ記録・栄養指導記録等:指示情報の確実な記録、実施経過の記録、容易に相互に参照できること、経過の要約情報が適宜提供されていること
  5. 検査・病理診断・画像診断の記録:検査結果の確実な記録、専門医による病理診断・画像診断の結果の記録、主治医・担当医による診断結果の迅速な把握と確実な治療方針の記録
  6. NST、ICT、緩和ケアチーム等のチーム医療記録:依頼とその理由の記録、チーム医療の検討記録や実施経過の確実な記録と情報共有
  7. カンファレンス記録:他科または多職種による症例検討会、合同検討会、臨床病理検討会等の検討経過・結果の確実な記録と情報共有

(8) 退院時の記録

  1. 退院時要約の記録:
    • 十分に検討された院内共通の様式に遅滞なく記録
    • 定義を明確にした「退院時診断名」の記録(主傷病名・副傷病名・合併症・併発症・続発症等)、DPC診断群分類への適用への考慮
    • アウトカム評価の観点を踏まえた「転帰」の記録、傷病ごとの転帰の記録
    • 入退院経路については、関係機関との連携の実情を把握できるように記録、在宅医療や訪問看護、介護保険等に関する記録
    • 在院日数、入院履歴、合併症・続発症、入院中の有害事象の有無、関連する臨床指標等の診療の質・安全と効率を評価する観点からの記録
    • 主要な検査・画像診断、手術・処置、投薬・注射等に関する記録
    • 外来、あるいは連携施設・機関へ、紹介・報告するための入院経過の要約
  2. 退院時療養指導の記録:
    • 退院療養計画書の説明と同意の記録、連携施設・機関への紹介状への同意
    • 退院後の患者・家族の意向の確認、介護保険との連携状況の記録
  3. 退院時の文書の整備:
    • 入院証明書、死亡診断書、保険関連書類、難病等申請書類等の適正な作成
    • 診療情報提供書、地域連携パスや介護保険関連書類等の連携関連文書の作成、患者への説明と同意が必要

5. 本指針の活用に向けて

 近年、診療情報の活用範囲は急速な広がりを見せている。当初は主として医師が患者に適切で合理的な医療を提供するための診療録情報として役立てられてきたが、看護師・薬剤師をはじめとする多くの専門職が成立すると、それぞれの分野で業務内容や患者に関する多岐にわたる診療情報が生じ、それらの総体を把握したうえで、患者に最適で安全・安心な医療を提供することが求められるようになった。チーム医療の重要性が説かれるゆえんである。そして、ICTの著しい発達は、これらの大量の情報の集約・統合と、目的にかなった活用を容易にして、より合理的で質の高い医療の実現に貢献している。

 また、地域内の複数の医療機関で、ネットワークを介して診療情報を共有する取り組みも行われているが、その場合は相互のアクセス範囲等を明確にし、改めて記録の構成を検討する必要がある。最近になって、公的な大規模データベースへ診療情報を提供して、治療の成果や資源の最適配分等を検討しようとする方向が示されている。診療情報管理の観点からは、匿名化の徹底と個人情報の保護に十分に留意するとともに、このような方向にも対応する必要がある。

 診療情報の適切な記録と管理は、安全・安心で質の高い医療の提供を実現するために必須であることは論をまたない。しかし、ますます繁忙化する医療の現場においては、診療情報管理に期待されている役割を十分に全うしているとは言い難い。本指針は、このような時代に即した医療を提供するために、今後の診療情報の記録のあり方と、具体的に記録すべき事項、記録する上での留意点等を、体系的に取りまとめたものである。情報化が急速に進行しているものの、診療記録をいわゆる「紙カルテ」で運用している病院も少なくないことにも留意した指針としている。また、主として「電子カルテ」に関わる事項については、巻末に別掲してある。診療情報を取り巻く環境は流動的であるが、本指針は当面の間は十分に診療情報の管理と活用に有用であると確信している。医療関係者と診療情報管理に従事する立場からの十分な活用を期待する。

●電子カルテの記録・運用指針

 電子カルテが普及・定着しつつある現状を踏まえて、本編の「診療情報の記録指針」に加えて、電子カルテの記録・運用に当たって特に留意すべき事項について以下に示す。

1. 電子カルテの運用と利用に関する基本的事項

  • 記録者は自らの認証でシステムにログインし、離席時にはログオフする。
  • パスワードは必ず定期的に見直し、不正アクセスの防止に努める。
  • 個別の診療情報へのアクセス制御については、規則により明確に定める。
  • 記録を代行する場合は、代行者の記録範囲を明確にしておくとともに、代行者自身の認証でログインし、本来の記録者が確認してから正式の記録とする。
  • 職種ごとの記録範囲と参照範囲を明確にして規則に定めるとともに、システムとしても設定可能とする。
  • 所見の初回記録を仮記録とし、日時を改めて修正したものを本来の記録として仮記録を削除することは適切でない。初回記録は残し、追記・変更として記録する。
  • 既存の記録の複写・転用は、趣旨に沿った必要性の範囲で行われるべきであり、機械的な濫用は避ける。
  • 付箋機能における情報は本来の記録ではなく、便宜的な利用によりシステムの統計処理機能やエラープルーフ機能を損なうことのないように留意する。
  • システムダウン時の代替業務の手順、及び復旧時に情報入力する範囲等について、具体的な対応策を定めておく。また、システム故障等に伴う患者情報の消失への対応を講じておく。
  • 同一患者について二重記録とならないように、IDの発番・変更には十分留意する。

2. 電子カルテの構成・記録事項に関する事項

  • 診療記録の構成と記録事項の基本については本編に準ずる。
  • アレルギー既往による使用禁止薬剤や禁止食品、HIV・HBVの感染既往等の重要な注意喚起情報については、所定の項に確実に記録する。
  • 重複投与や配合禁忌の回避、処方チェック等のシステムのエラープルーフ機能を、確実に機能させるように情報の記録をする。
  • 他の職種・部門の、円滑かつ効果的な情報共有が図れるように、各部門・職種から参照されることを想定した記録とするように努める。
  • 投薬・注射・処置等の指示については、指示出し・指示受け・実施・実施確認のそれぞれについて、事後の検証が可能となるように記録する。
  • 電子クリニカルパスを利用する場合は、計画されたものを含めて実施された診療内容を記録したうえで、アウトカムやバリアンスを分析する。

3. 部門記録とチーム医療に関する事項

  • 各部門・職種が記録すべき範囲と、参照できる範囲を明確にして規則で定める。
  • 各部門の記録システムは、部門間の連携と情報共有を円滑に行えるように構築され、他の職種・部門から参照されることを想定して記録する。
  • チーム医療に関する活動記録は、担当部門または担当者の責任で記録し、関係部門・関係者間の情報共有を図るとともに、対象患者の診療記録にも追記する。
  • 多職種による合同カンファランスについても、担当部門または担当者の責任で記録し、関係部門・関係者間の情報共有を図るとともに、対象患者の診療記録にも追記する。

4. 紙媒体等による情報の取り扱いに関する事項

  • 紙媒体の情報を扱う場合は、文書・書類の種類や様式を標準化するように努める。
  • スキャナーセンター等で一括処理する場合は、確実に同一患者に帰属させて情報の一元性を担保する。
  • 手術記録における手描き図のような画像情報についても、制約なく記録できることが必要である。
  • X線、CT、MRI、超音波等の画像情報、及び関連する動画情報については、円滑にアクセスできるとともに、診断の根拠や治療の成果を示す画像を的確に抽出して記録しておくことが望ましい。

5. 特に配慮すべき情報、または記録の扱いに関する事項

  • 診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)における記録の閲覧は個人情報の保護に十分留意し、実習生による記録は本来の診療記録とは分離して作成される必要がある。
  • 患者の遺伝子情報、治験情報等の、高度に守秘性の高い情報については、規則に基づいて適切なアクセス制限、または利用制限をする必要がある。
  • 著名人、病院職員等の特定の関係者の診療情報については、本来の機能を損なわないように十分に配慮してアクセス制限をする必要がある。
  • 家族からの相談内容、虐待を疑わせる情報、医療に対するクレーム等については、患者本人の立場も踏まえて、十分に配慮して記録する。
  • 患者・家族からの記録閲覧の要望に対応する場合は、適切なアクセスの範囲を規則で定めておく
  • 医療機関間、または特定のネットワーク内で診療情報を共有しようとする場合は、本人の同意、共有する情報の範囲、運用体制等について、関係者による十分な協議を継続しながら運用する。